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ディベロッパーダイアリー ディベロッパーダイアリーその①:あれから8年、伝えたいこと

ディベロッパーダイアリーディベロッパーダイアリーその①:あれから8年、伝えたいこと

こんにちは。『Apopia:スイート・ナイトメア』の開発者兼ディレクターを務めるOnonです。

この8年間、私にとって数えきれないほどの障害や挫折がありましたが、それでも手放せなかった、本作はそんな私の夢の結晶です。

 

このゲームのルーツは、私自身の個人的なトラウマ ――― 母親からの拒絶です。

当時、何か言いたいことがあってもうまく言葉にできず、母親も決して応えてくれない、そんな日々を過ごしていました。私にとって悪夢そのものでした。

こんな過去を抱えているのは、きっと私だけじゃないはずで、誰もが何等かの形で、親との関係に傷を抱えていたり、トラウマがあったりするものだ―――そう考えると、私の物語をみなさまに伝え、分かち合いたくなりました。

とはいえ、ただ話すだけじゃつまらない。そこで思いついたんです。

 

“見た目は可愛いおとぎ話のような物語なのに、読み進めると胸に刺さるような衝撃的な展開に発展していくという作品はどうか?登場するキャラクターの内面を探り、本当の痛みや秘密へつながるものとして描けないだろうか?” そんな発想から、Apopiaが生まれました。

 

Apopiaは、2人の少女を中心に物語が展開していきます。

【マイ】母親とのハイキング中に事故に巻き込まれながらも奇跡的に生き延び、気が付くと奇妙なウサギの王国に迷い込んでいた人間の女の子。

【モリー】恐ろしいボスと戦う、ウサギ王国の元お姫様。

 

一見まったく違う物語に見えますが、実際は互いの物語が絡み合いながら繋がるようになっています。

ゲームデザイン部分においても、2人の物語が、まるで違う味のアイスクリームが溶け合うように、丁寧に作り込んできました。

 

この8年間、私はチームと一緒に世界を構築、キャラクターを描き直し、”可愛らしさ”と”胸を締め付ける痛み”のバランス調整を行ってきました。愛、受け入れられたい気持ち、人がどうしても隠してしまう弱さや恐怖、このようなテーマを深堀りするシーンを作っていく中で、机に向かって泣き崩れてしまったことも何度もあります。

そして、ついに全てが完成しました。

 

コードを書き終え、感情を込めた音声収録も終わり、発売まであと1か月ほどになりました。

 

正直今、私はとても怖いです。

始めての作品で、マーケティングの経験がほぼゼロだから、という理由ではなく、何よりもこの物語があまりにも個人的な内容で、私の心そのものだからです。

Apopiaをリリースするということは、私の心の一部を皆さんに差し出すことになり、「遊んでくれた方が、Apopiaに何か意味を見出してくださいますように」と願うことになります。なのでぜひ、みなさまに応援してもらえるとうれしいです。

 

見た目以上に深い意味を持つゲーム、可愛い印象だけど、どこかほろ苦い物語

そんな作品に惹かれる方は、こちらをご覧ください。

 

 

これから数週間で、開発秘話や、本当に挫折しそうになった危機に直面したときの事、それでもこの無謀な夢を信じ続けている理由など、こういったお話もお届けしたいと思っています。ですがまずは、読んでくれたことに心から感謝を。

もし興味を持っていただけたら、Steamのウィッシュリストにご登録いただけたら嬉しいです。ご質問があれば、気軽に声をかけて頂ければ幸いです。

 

それでは、また

 

Onon

Apopiaディレクター